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さて、第3夜です。

2度までも人間せんせいに見殺しにされた弟は、
虎視眈々と反撃のチャンスをうかがっていたのでしょうか。
それは、自分が物の分別がつく小学5年生の頃に訪れました。

人間せんせいは、中学1年生でした。
その頃は、水泳部にいて、水の中にいるのが何よりも好きでした。

夏休みに山形へ連れて行ってもらい、初めて見る日本海がうれしくて、
台風が近づいてきていたのですが、大人たちの言うことも聞かずに、
波の高い海で泳いでいました。

弟は、こんな年になってもまだ、人間せんせいの後についてきていました。

どこまでも青い海、沖へ沖へ、夢中で泳ぎました。
気がつくと、ずいぶん流され、振り向いてびっくりしました。
岸は、はるか彼方に見え、遊泳禁止の区域に入り込んでいました。
監視員の笛が聞えました。
『いけない。もどろう。』

慌てたのがいけませんでした。
波をもろにかぶり、水を飲み、さらに慌ててしまいました。
ぶくぶくぶく~~~。
もがけばもがくほど沈んでしまいます。

自分の足の下が、ぽっかりとなくなってしまったかのように感じられて、
急に怖くなってきました。

平泳ぎでは戻される波の方が強くて、さらに沖へと連れて行かれます。
得意のクロールをしました。

疲れるだけでした。

ふと隣りを見ると、弟は、立ち泳ぎをして平然としていました。

水泳部では、平泳ぎや、クロールのフォームを練習したり、
いかに速く泳ぐかを分析したりしますが、
立ち泳ぎというのは、教えてはくれませんでした。

『あんた、どこでおぼえたのよっ。』
この期に及んでも、喧嘩を吹っかけた人間せんせいでしたが、
次の波がきて、あっけなくぶくぶく沈んでいきました。

喧嘩なんかしている場合ではありません。
必死で浮き上がって、不本意ながら、弟に抱きつきました。

「よせよ!重いだろっ。離せよっ!」
弟は、ここで反撃に出たのでした。
死ぬか、生きるかというところで、人間せんせいを冷たく振り払ったのです。
ぶくぶくぶく~~~。。。。

何度目かのぶくぶくのとき、沈んでった底で足がつきました。
「そうだ、海底を歩けばいいんじゃん。」

海底を歩いて、無事に帰り着きました。
何歩も歩かないうちに、すぐ顔が水面に出ましたけれど。

人間せんせいはやさしいので、この話は誰にもしていません。
お正月の集まりでも、三輪車やゾンビの話は出ても、これは話題には上りません。
弟に見捨てられたなどと、誰が言えるでしょう。

もう3度目、また声を大にして言います。

子どもは大人の知らないところで何をしでかすかわかりません。
3回もこんな場面を書くと、様々な経験を通して危険を体得するなどと
悠長なことを言っててもよいのかどうか、甚だ疑問に思えてきました。

大事に至らずに運がよかっただけなのかもしれません。


surf-vivo-1s.jpg

きゃぁ~~!!
び~ぼ君、危ないから止めてっ!

・・・と、やっぱり言いたくなるなぁ。



swimming ring-1s

ぷかり。ぷかり。海では浮き輪です♪


kuronekoline.gif

2010.07.08 


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