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さて第二幕、第3場
大抵舞台演劇もこの辺からクライマックスに向けて面白くなっていきますが、
「さっちゃん」と「みっちゃん」劇場も、なかなか興味深い味わいになってきます。

セカンドオピニオンというのではなく、
つまり、人間せんせいはこの診断をすでに受け入れているのですが、
その後をどうするか、で、今までのデータをもって
同時再建を実施している、形成外科のある別の病院を訪ねました。

ひと口に再建と言っても、
切除手術と一緒にする一次一期、一次二期、
切除の後時間をおいてする二次一期、二次二期、
また、人工物を使う方法、自分の組織を使う方法と、
さて数学の問題、組み合わせはいくつになるでしょう。
というように、自分で調べて勉強するにもなかなか大変です。
また、どれも一長一短、当たり前ですが、
麻酔から覚めたらなかったことに、なんていう能天気なことにはなりません。

なぁ~~だ、そうなのか。
痛くて辛いのは嫌だし、
長く入院するのも仕事が困るし、
人工物が肉体的精神的に自分に合わなかったら嫌だし・・・・

二郎先生も一郎先生と同じように、
再建は後からゆっくり考え検討した方が良いですよとおっしゃいました。
そりゃね、大事なことだから時間のない中でバタバタと決める必要もないわね・・・

ところで、DCISは前がん状態であって、
まだ悪さをしていない、これからもしないかもしれないのに、
患者の人生を大きく変化させるものになる全摘出手術は過剰治療ではないか、
という見解もお医者によってはあるようです。

<低グレードの非浸潤性乳管がん>

つい、自分でもそれにすがろうとしている時もあります。
手術は本当に必要なのか?
しかも、全摘出なんて。
このまま放っておいてもこれで死ぬ確率は少ないんでしょとか。
例えば、10年後に寿命が尽きたとして、それは早死にではない年齢なのだし、とか。

お医者様を目の前にしてそんな不遜なことは言いませんでしたが、
二郎先生の方からおっしゃいました。
「あなたの場合ではね、病院によっても見解が違うと思います。
でも僕ら外科医は切って直すのが仕事です。
切って完全に治るものならば、不安の芽をもって過ごすよりも良いですよ。」

世の中も予防医療へシフトしつつあります。
病気が発見された時には重大なことになっているケースもたくさんあります。
また、いくら芽であっても、その後にどんどん悪さをする性格の悪いタイプの芽もあります。

性格や顔つきがよく、まだ悪さをしていないお行儀のよい芽であることを、
本当に必要な治療なの?と考えるのではなく、
今だから効果抜群なのだと、考えていこう。

そうだ。
癌を舐めちゃいけない。
こういう名前がついているということは、異物が増殖していくわけだから、
まだ悪さをしていないうちに村ごと焼き払うのだ~!おぉ~!

と、舞台演劇ならば勇壮な音楽と共に両こぶしを天高く突き上げ、
一気にクライマックスへと盛り上がっていくところです。

さぁ、人間せんせいも元気に治療にまっしぐら・・・・とはいかず・・・
またひと悶着、というか、ひと騒動というか、
最近の芝居や映画を反映するかのように、
「さっちゃん」「みっちゃん」劇場もまだひと波乱あるのでした。

2016.05.13