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ねこせんせいは、赤ちゃんのときから、ライオンの子のように手足の太い子でした。
2歳になったとき、どの義理の兄ねこ君よりも、手足も身体も頭も大きく、
のっしのっしと歩く姿に、人間せんせいは惚れ惚れしていました。

ちょうどその頃から、義理の兄ねこ君たちとの小競り合いが増えてきました。
ぽかぽか、陽のあたる場所、風が通る場所、静かで安心できる場所、
そこに先客がいると、ねこせんせいは、みんなを蹴散らして横取りしました。

もう、誰もねこせんせいと一緒に寝てくれなくなりました。
寒い日でも、3つはくっついて暖を取るのに、
ねこせんせいだけひとりぼっちで、丸まって寝ました。
みんなが仲間はずれにしてるというより、
ねこせんせいのほうが、仲間に入らない、という風でした。

そうこうするうちに、家具や、柱にスプレーするようになったのです。
あちこちいろんなお医者さんにも行きました。
ホルモン剤も飲みました。
1錠飲むとぴたっと止まるのに、
やはり身体に負担がかかるからと減らしていくとまたスプレーが始まりました。

でも、お医者様は言いました。
「心を病んだ子だから、長い目で見て・・。」
     
心を病んだ・・?
あれほど、ストレートで、天真爛漫で、何の屈折もないように見えた子が・・。

仕事柄、人間せんせいは、
家庭内暴力を繰り返す子も、引きこもる子も、不登校の子も何人も接してきました。
一口では言えないけれど、そういう子の多くは、
自分を受け入れてもらうこと、自分をありのまま愛してもらうことを、求めていました。

ねこせんせいの場合、成長の過程で心を病んだとすれば、
連れて来てしまってからの、
人間せんせいを含めた、この環境に原因があるのかもしれません。

人が大好き。
でも、ねこはいっぱいいるのに、人間は留守が多い。
一緒にいたいのに置いていかれる・・・・

そうなのね。
あなたには快適ではないのね。

本当は、人間せんせいが仕事を辞めて、いつでも一緒にいて、
ずっと抱っこして、彼の好きなご飯をあげて、いつでも名前を呼んで、いっぱい遊んで・・・
ついでに言えば、他のねこ隊はいなくて、自分ひとりで・・・
きっと、そういうことが彼には快適な暮らしなのかもしれません。

かわいそうに思いながらも、人間達の生活パターンは変えられず、
ならば、せめて、ありのまま受け入れることにしよう。
スプレーしたら、拭いてやればいい。
なるべくそばにいてあげよう。

そうやって、早、彼はもう15歳。

ねこせんせいにダメにされた電気製品は数知れず・・・・
ヒーター3台、空気清浄機、コンポ2台、ノートPC、モデム、炊飯器、湯沸しポット。

家を建て直したら、気分が変わって治るかも・・・
下に子分ができたら・・・
今まで男の子ばかりだったから、女の子が来たら・・・
おじいさんになったから・・・
希望的観測は無残にも次々と打ち砕かれています。

スプレーしそうな場所には、ペットシーツやバスタオルが敷かれ、
植木の鉢だの炭の入った器だのが置かれています。
ねこせんせいは新たな場所を見つけ、
また、植木鉢が増えることになり、いたちごっこ状態です。
家中が、ジャングルになるか、
木造の家がぼろぼろになって壊れるか、
リフォームを重ねて、人間せんせいが破産するか、
さて、どれが先に来るでしょうか。

でもね、それでもいいの。

やっぱり彼が大好きだから、ずっとずっと長生きして、
一日でも長く一緒にいたいのです。

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2010.03.05 


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