世間で言うところの『主婦』が旅行に出るとなれば、
なぜだか、いろいろと事前準備、根回しが必要になります。
もちろん、子供が小さくて自立できていないうちは、
母親が家を空ける、という無謀なことは避けるのでしょうが、
子供たちがアルバイトをし、外食をする年頃になっても
母親が、家に縛られることが多いのは、なぜでしょう。

そうそう。
約一名、おとなのくせに、自立できていなくて、
寂しがり屋で、甘ったれで、やきもち焼きの、
手のかかる男が、家族の中にたいていはいます。
子供たちは成長して、何とかなるようになっても、
こいつは、全然成長しなくて、
いつまでたっても、何とかならなかったりするのです。

人間せんせいのところは、子供はいないし、
夫である人間家族とは、フィフティフィフティで生活管理をしていますから、
人間せんせいがいつ、どこへ行こうが、基本的には自由です。

しかし、いくらお気楽な人間せんせいでも、
やっぱり少しだけ後ろめたく感じるのは、
二世帯とはいえ、姑である、人間おばあちゃんと暮らしているからです。

「ねこ隊のことも、彼がやってくれるはずですが、
 留守の間、何かあったらお願いします。」
人間おばあちゃんに申し出ました。

さて、返ってきた返事は・・・。
「あの子の夕食はあるんだね。私はやらなくていいんだね。」
『あの子』とは、彼女の息子、人間家族のことです。
大のおとな、です。
普段でも家事労働をしています。

よくできた姑である、人間おばあちゃんにさえもこう発言させてしまう、
日本の長年にわたる家族のありかた像、女性のありかた像、とは、なんと根深いものでしょう。
母親というのは、子供がおじさんの歳になっても、
不憫に思うものなのでしょうか。

最近では、仕事を持っている主婦も大勢います。
仕事から帰って来て、夕ご飯ができているわけではありません。
誰もかわいそうだなんて言ってくれません。

カレーを3日分くらい作りました。
しょうが焼きできるように、お肉をつけこんで冷凍しました。
さんまも開いて冷凍しました。
茹で野菜を作っておきました。
なおかつ、お金も置いていくことにしました。

留守中のご飯の仕度などしておかなくても、
今の日本では飢え死にすることはありません。
大人なら、何とでもできるはずなのです。
何とかしようとしないのは、甘え以外の何者でもありません。
そして、男だからというだけで、甘えさせている母親がいるのです。

背中が痒くなるくらい、そういうのが嫌いだと思っても、
出発を前に、真夜中に、しこしこと保存食を作ったり、
窓拭きをしたり、床を磨いたり、にわか嫁をしてしまう、人間せんせいでありました。


<これからお出かけになる方へ>

1年位前から伏線を張っておいた方がいいかもしれません。
子育て中の方は、自立した人間に育てましょう。

2002.03.12 
旅行の楽しみというのは、
前もって現地のことを調べたり、
荷造りをしたりするところからもう始まっています。

今回のラスベガス行きは、前日の夜まで仕事が大忙しだったので、
人間せんせいは、ゆっくりと荷造りを楽しむ、ということはできませんでした。
とにかく大慌てで、Tシャツと下着と洗面道具と本を詰めました。

ハワイや、ロスに行くのであれば、
現地にTシャツやトレーナーはいっぱい売っているし、
一つや二つ、欲しくなったりするので、こちらから持っていく必要はありません。
現地で買って、そのまま着てしまいます。
ラスベガスにも売ってはいますが、
なぜか、人間せんせいが着たいというものはないので、
いくつか持っていくことにしました。

ショウを見たり、レストランでディナーの予定があるときは、
ちょっとおしゃれをしてみるのも楽しいものです。
長い滞在であれば、何枚かブラウスを持ったりしますが、
上質のシャツにきれいなスカーフを添えるだけでも、
お出かけ着に変身できます。
今回は、おしゃれをして出かける予定はありませんでしたが、
なんせ、あの、父親が一緒ですので、
何を急に言い出すかわかりません。
とりあえず、ブラウスと、サンダルと、スカーフも持ちました。

そうそう、あとはおやつの煮干、黒糖。
ちょっと疲れ気味なので、ビタミンCと、
ロイヤルゼリーのカプセルも持つことにしました。

これで、荷造り、完了。


ところで、年寄り組の荷物は、というと、すごいです。
荷物の半分が食料です。

おやつも大量ですが、なにやら、梅干、沢庵、のり、レトルトのご飯、カレー・・・、
それが、それぞれ自分の分だけでなく、人数分持っているのです。
パックのご飯だけで、5人が5食分ずつ持っています。
おばは、みんなの分の帽子を持ってきました。
だれそれにも、だれそれにも、かぶせてやろうと、5つです。
なんという兄弟愛!!


<これからお出かけになる方へ>

兄弟愛や友情は、要らん荷物を増やします。
クールにいきましょう。


2002.03.11 
さて、いよいよ出発の日です。
パスポート、よし。
保険証、よし。
チェック、よし。
お金・・・・、あれ?
前回残ったドルは、どこだっけ?

前回アメリカに行った後に、引越しがあったので、
どこにしまいこんだか、とんと記憶にありません。
人間せんせいは、カードは持ってはいますが、
カードで買い物をする習慣がありません。
まぁ、今回、初体験するのもいいでしょう。

あとは、カメラ。
あっ!! デジカメの電池の充電を忘れました。
仕方ありません。
従来のカメラを持って、どこかでフィルムを買うことにしましょう。

ねこ隊にいい子でいるようにおまじないをかけて、出発しました。

電車に乗ってから、気がつきました。
なんと、パスポートの次に大事な、煮干を忘れました!
早々バッグに入れておくと、ねこ隊が探し当ててしまうと思い、
ぎりぎりまで引き出しにしまっておいたので、うっかりしてしまいました。

さて、5日間、人間せんせいは、
煮干なしで生きていかれるでしょうか?


<これからお出かけになる方へ>

必需品は、最初に詰めておきましょう。



2002.03.10 
テロ事件があってから、
空港などのセキュリティが厳しくなったと聞きました。

成田に着いてから、大きな荷物を預けるときに検査があります。
そのときの人間せんせいのいでたちは、
ジーンズに、パーカー、よれよれのジージャン、
濃いサングラスに、深々と帽子をかぶり、まるで、誘拐犯のようでした。
あまりの人相の悪さのせいか、荷物検査でひっかかりました。

指示の通り、トランクを開けると、
検査のお姉さんは、怪しいポーチを迷うことなく真っ先につかみ、中身を出しました。

「これは、何ですか?」
ひっかかったのは、怪しげな錠剤でした。

実は、何のことはない、ロイヤルゼリーのカプセルなのですが、
ピルケースに入れることをせずに、
お菓子の空き箱に、無造作にがばがばと入れたので、怪しまれたようでした。

古い世代の両親、おじ、おばたちは、
人間せんせいが、そんな汚い格好をして、
麻薬所持かなんかで捕まっていると、思ったのかどうか、
一族の恥かのように、そそくさと人間せんせいから離れていきました。

アメリカ入国の際は、今度は、姉が引っかかりました。
眉をカットする小さいはさみと、くるりんまつ毛用のビューラーを没収されました。

またまた古い世代の人間たちは、
今度は、嫁が刃物を所持していたと、びびっていました。

聞きしにまさるセキュリティーの厳しさで、
どこを見ても観光客にしか見えないのに、みんな靴まで脱がされました。
そういえば、昔、パンツまで脱がされた芸能人がいましたっけ。
靴だけですんでよかったというべきなのかもしれません。


<これからお出かけになる方へ>

ソーイングセットの小さいはさみも、ダメだそうです。



2002.03.08 
長時間の飛行機から開放されて、ホテルに着いたときには、
もう夕方で、ぐったりしてしまいました。

少し休んで夕食にしました。
各ホテルはビュッフェが充実していて、
15ドルから20ドルくらいで、
おいしいものがおなかいっぱい食べられます。
人間せんせいにとっても、
自分のおなかの量に合わせて摂ることができるので、好都合です。

といっても、
実は、人間せんせいは、食べ物は素材のまま摂るほうが好きなので、
いろいろなスパイスで味付けしてあるものは、苦手です。
ホットフードは殆どパスで、野菜ばっかり食べていました。

アメリカのきゅうりは、好きです。
太くて、瓜のように種があって、皮が硬くて、根性が入っています。
カリフラワーやブロッコリは、なんと、生のまま、茹でてありません。
それがまた、おいしいのです。
日本に帰ってからも、今度から、生のまま食べることにしましょう。
ひとつ、調理の手間が省けて一石二鳥です。

さて、古い世代組は、ビュッフェに慣れていないのと、
兄弟愛にあふれているので、人の分まで取ってきて、
「兄ちゃん、これ食べな。」
「姉ちゃん、これ、おいしいよ。」と、テーブルいっぱいに並べます。

おじいさん、おばあさん同士が和気あいあいと楽しそうですが、
最後には残ってしまい、ビュッフェのマナーに反することになります。
かわいそうでしたが、
「自分の分だけ取ること。」と、小言を言ってしまいました。

しかし、
おそるべし、年寄りは頑固で、聞く耳をもちません。
帰るまで、彼らの食事の仕方は変わりませんでした。

朝はひとつの部屋に集合して、持ち寄った食料で宴会。
コックさんは父です。
作る方も食べる方も大喜びでわいわいやっていました。
訪問すると、沢庵の匂いやら、炊き立てのご飯の匂いやら、カレーの匂いやら、プンプンで、
おまけに調理と宴会の熱気で、むんむんしていました。
夜は夜で、ビュッフェのテーブルにて、これまた宴会。


<これから、お出かけになる方へ>

どこのホテルのビュッフェでもおいしいですが、
評判なのは、ミラージュ、パリス、だそうです。

兄弟愛や友情が入ると、宴会になってしまい、恥ずかしいので、
自分の分だけ、謙虚にとってきましょう。

2002.03.08 
ラスベガスはギャンブルの街ですから、
どこのホテルにも、入った正面にカジノがでぇ~んとあります。
ここでは、夜通し賭け事をして遊び倒す罪悪感、などというものは無用です。

人間せんせいの父親は、人生まるごと遊び倒してきましたので、
こういう場所にもすんなりと、溶け込んでしまいます。
びっくりするのは、母の方です。

彼女は、若い頃教員をしていて、そのせいなのか、性格なのか、
遊びというものに罪悪感を持って生きてきました。
子供たちには厳しくしつけてきたし、
父が遊び倒すのを、情けないと常々こぼしていたのです。

それが、前回ここに来た時に、
人間せんせいとの待ち合わせの時間に遅れるほど、
また、睡眠時間を削るほど、スロットにはまってしまったのでした。

そして今回も・・・。
人間なんて、本性はこれほど情けないものです。

人間せんせいは、カジノに罪悪感は持っていませんが、
お金がもったいなくてやろうとは思いません。
部屋に帰って本でも読んでいるほうがましです。

だって・・・!
一度も当たったことがないのです。
懸賞も、宝くじも、お年玉年賀はがきだって。
じゃんけんですら、サザエさんにしか勝ちません。
ですから、投資したお金が無駄になることがわかっています。

「そんなこと言わずに。」と、母が10ドルくれました。
スロット、初体験してみました。
1回だけ、2枚くらい出ましたが、そのあとはだめでした。
母は呆れて、もっとやれ、とは言いませんでした。

同じもらった10ドルで、姉は20枚出し、
50ドル、日本円で約7000円稼ぎました。
投資額、自分では、ゼロ。

この日、すったのは、人間せんせいだけでした。
初めて来たおじ、おばたちも、そこそこ儲け、楽しんだようでした。
父に到っては、さすがに遊び倒した人生だけあって、
英語もしゃべれないくせに、ルーレットやブラックジャックで、
900ドル、およそ13万円勝ちました。
投資額、25ドル。

この人は、世界中のカジノに出入りしていますが、
成果を聞くと、自分の父親かと思うくらいびっくりします。
渡航費をかけても、定期的に出稼ぎに出たほうが、
日本で仕事をしていたときよりも、よかったかもしれません。
この話は、また、いつか・・・。


<これからお出かけになる方へ>

もし、自分に賭博の才能があるとわかったら、
すぐに今の仕事をやめて、出稼ぎ家業に入ってしまいましょう。
才能のない人は、できるだけ惨めそうな顔をして、
他人のおこぼれをちょうだして遊びましょう。
それ以上はまるのは、アホです。

2002.03.07 
ラスベガスには、超大型ホテルがずらっと並んでいます。
世界で大きいホテルベスト10の半分以上はここだとか。
世界で一番大きいMGMホテルは、なんと、5000室あるそうです。

部屋の位置によっては、集合場所のフロントまで10分以上かかるので、
オプショナルツアーに出かけるときは、要注意です。

また、ちょっとお隣りのホテルまで、といっても、
すぐそこに見えるのに、歩くと20分くらいはかかります。
次々と新しいホテルもできていて、
前回、2年前にはなかった、アラジンというホテルができていましたし、
今また工事中のところもありました。

各ホテルは、それぞれに趣向を凝らしていて、
ニューヨーク風、パリ風、エジプト風、アラビア風とさまざまです。
それぞれにショッピングモールをもっていますが、
それもホテル内にありながら、街の風景に作ってあって、
一見の価値どころか、百見くらいの価値があります。

一人でさっさと新しいゴルフ場に行った父を除いて、
古い世代組を連れ、街を見て歩きました。
ラスベガスは、砂漠の中ですから暑くて、乾燥していて、
すぐに喉がからからになります。

早くも2軒目で喉を潤すべく、ホテル内のカフェに入りました。
古い世代組は、テーブルにつくやいなや居眠りを始めました。
やっぱり、年寄りには歩きすぎかな、と思い、
このあと姉が彼らを連れてタクシーで別のショッピングモールに連れて行き、
お土産などの買い物をさせて、またタクシーでホテルに帰る、
人間せんせいは、一人で歩いてこの後もホテルめぐりをする、
という別行動の予定を立てました。

ところが、このホテルのタクシー乗り場を探そうとしたら、
ぐるっとまわらなければならず、
このホテル内なのに、15分も20分も歩かなければなりません。
それなら隣りのホテルまで行こうと、また、歩き進みました。
古い世代組の足取りは、もう、のろのろになっています。

途中に小さいお土産やさんがあり、Tシャツのバーゲンをしていました。
それを見た古い世代組は、急に息を吹き返し、
目がらんらんとしてきて、元気になりました。

息子やお嫁さん、孫たちのお土産は、全部Tシャツでいいと、
1時間ほど、ああだの、こうだのと選び、山ほど買いました。

さて、お土産がTシャツで済んでしまえば、
もう、ショッピングモールに行く必要はありません。
タクシーで帰ることにしました。
人間せんせいも、Tシャツ選びを待っている間にくたびれてしまい、
一緒に帰ることにしました。
あぁ、今回も、ホテルめぐりは途中で断念です。

ホテルの部屋に帰ったら、さすがにぐったりでした。
年寄りは、さぞかしくたびれただろうと思ったら、
これから持ってきた食料でパーティを開くと言います。
そして、パーティが終わったら、またカジノに繰り出すようです。

年の功なのか、元気の温存の仕方、
ここぞというときの元気の出し方は、
人間せんせいの想像をはるかに越えます。
最後の夜は、殆ど寝ないでカジノにいたようです。
おそるべし、一族です。


<これからお出かけになる方へ>

スニーカーは必需品です。
ハイヒールで歩いたら、疲労骨折するかもしれません。
水筒も持ちましょう。
子供の遠足のように、バッテンにかけるのがラスベガス風です。
うそうそ。


2002.03.06 
何も海外に出たときとは限りませんが、
買い物というのは、その人の性格や、日常、
価値観や趣味、お金の使い方などが如実に現れます。

父は新しくできたというゴルフ場に一人でさっさと出かけ、
友達に自慢するべく、そのショップでたくさん買い込んできました。
見栄を張るタイプです。

姉は、アメリカに長く住んでいましたので、こちらの食料が恋しく、
スーパーマーケットに行って、
普段の買い物のように、3袋も買い込んできました。
缶詰や瓶詰め、マヨネーズから、マスタード、なんと、お米や食パンも買いました。
しかも、自分の投資ゼロで稼いだ、カジノの儲けで。
なるたけお金を使わずに、ちまちまと日常を楽しむタイプです。

おじ、おば、そして母は、オーソドックスにTシャツと、チョコレート。
質よりもとりあえず量、というタイプです。
面倒くさがりで、独自性に欠けます。
そのくせ人間愛にあふれ、
他人の物ばかりで、自分のものは買わないのです。
老人会の皆さんに、とか言って、20も、30も買います。

人間せんせいは、というと、
絵葉書、写真集、地図、絵本、ねこのマグネットやマウスパッド、
それから、ネイティブアメリカンの民俗音楽CD。
そう、どこに行ってもこんな様なものを買います。
あ、でも、姉にそそのかされて、
行きの機内で、エステローダの美容液を最初に買ってしまいました。
なんでも、年齢を重ねたお肌に劇的に効くのだとか・・・。
なんせ、デパートで見る半値だったので。
劇的に効くかどうかは、これから追跡調査が必要ですが。

人間せんせいのお金の使い方は、
もしかしたら、実に個人的な楽しみ方をするものばかりかもしれません。
他人のことは考えない、自分勝手な性格です。


<これからお出かけの方へ>

免税品は、機内が一番お得だそうです。
ただし、商品に限りがあり、何でもあるわけではないし、
数にも限りがあるので、早い者勝ちです。

音楽の好きな人なら、
現地の音楽に触れるのも、おもしろいです。


2002.03.05 
さて、いよいよ明日は帰国という夜、年寄り組は外へ食事に出ず、
持ってきた食量が、まだ半分以上も残っていたので、
部屋に集合して、パーティをしたようでした。
コックさんは父です。
家では何もしない人なのに、
日常を離れるとなぜかサービス満点パパに変身します。

どこに行くにも食料を持っていくので、母や、下のおばは慣れていますが、
他のおじ、おばたちは、大いに喜んでいました。
気の許せる兄弟ならではの楽しみ方かもしれません。

人間せんせいが食事から帰って本を読んでいる頃、
姉は、父からもらったラッキー25ドルを握って、
最後のカジノに降りていきました。

が、30分もしないうちに帰ってきて、
200ドル、27000円の儲けです。
この人は、自分の投資額ゼロで、
トータル、35000円手に入れました。

そういうのを目の当たりにすると、
さすがの人間せんせいも、うらやましくなってしまいます。
帰りの機内で、違うタイプの劇的効果の美容液を買うのだと、
るんるんです。
結局彼女は2種類の美容液を手に入れましたから、
劇的効果は、人間せんせいの2倍かもしれません。
これも、追跡調査の対象になります。

さて、年寄り組もパーティの後、最後のカジノにも繰り出したそうです。
真夜中を回り、人間せんせいががぁがぁ寝ている頃、
ようやく気が済んで部屋に引き上げたそうです。
一人乗っている父を残して。

おじは父と同室でしたが、
ひと寝入りした頃、ドアのノックが聞えた気がして、
父が帰ってきたかなと、ドアを開けたそうです。

いません。
おじは、身体を通路に出して確認しようとしました。

がっちゃん!!
非情にも後ろでドアが閉まってしまいました。
もちろん、オートロックです。

困ったおじは、母やおばの部屋に助けを求めに行きました。
ひと寝入りしてたおじですから、当然、パジャマというか、股引というか・・・、
そんなかっこうで、ひょこひょこ歩いたわけです。

部屋におじがいないと、帰ってきた父が今度は心配すると思い、
おば2人は、カジノに父を探しに行きました。
ひげのおっさんは、まだ、絶好調で張っていました。
あまりの豪快な張り方に、おばたちはしばらく見ほれていたのだそうです。

さて、父のところに行った筈のおばたちが帰って来ないとなると、
今度は、母とおじが部屋に残されたまま、心配になってきました。
といっても、おじは、股引姿ですから、
とてもカジノへ降りていくわけには行きません。
母が一人で着替えてカジノに降りていきました。

ミイラ取りがミイラになるとはこのことです。
父は事件が起こっているとも知らず、相変わらず絶好調。
先発隊のおばたちは、いつのまにかスロットの席に。
そして、母もまた・・・。

一人残されたおじは、「そして誰もいなくなった」状態で、
恐怖に震え、悶々として、朝を迎えたそうです。

兄弟愛は、最後の夜に決裂してしまいました。
人間せんせいは、帰りの機内で隣りに座ったおじから、
延々と愚痴を聞かされました。

反対隣りを見れば、父、母、おばたちが口を開けて寝こけています。
愚痴をこぼしながらおじも寝てしまいました。


<これからお出かけになる方へ>

やっぱり、兄弟愛は旅行では無用です。
股引姿で寝るのはやめましょう。


2002.03.04 
帰国する日の朝、なんだか身体が変でした。
胃が痛いのとは違うのだけれど、なんか、おなかがへん。
喉も乾燥でがさがさでした。

空港についた頃気がつきました。
熱がありそうです。
目を閉じると、まぶたが熱いのです。

滞在中、外は暑いのだけれど、ホテルの中は、空調が効いて肌寒いくらいでした。
人間せんせいは、日本にいるときと同じように、
ソックスを2枚はいたり、パーカーの下に何枚も重ね着をして、
ラスベガス中で一番くらいに着込んでいました。

風邪をひいたかな・・・?
風邪などもう、7年もひいていません。
記録を伸ばすつもりでいましたが、
2月のハードスケジュールを考えると、疲れが来たのかもしれません。

姉のカーディガンも借りて、父のジャケットも借りて、
全米中で一番くらいに着込んで、
飛行機の中でも毛布をかぶってずっと寝ていました。
機内食には手をつけることはできませんでした。
吐く息も熱くなってきて、ぞくぞくするので、熱は上がっているかもしれません。

機内で10時間寝て、
迎えの車の中でも寝ました。
実家に着いてからも寝ました。
迎えに来た人間家族の車の中でも寝ました。
そして、うちに着いてからも、すぐ寝ました。
時差ぼけなんかありません。
ずっとずっと寝られました。
前の晩から数えると、
とぎれとぎれとはいえ、27時間も寝ました。

出かける前、いやというほど寝るのだと書きましたが、
そのとおりになりました。
2月は、3時間しか眠れない日もたくさんあり、
そんな日々から考えると、9日分の寝貯めになりました。

成田に着いたとき、
「熱のある人、おなかが痛い人は、お知らせください。」と、立て札が立っていました。
一瞬、どっきりしましたが、
まさか、アメリカでマラリアはないでしょう。

これだけ寝たら、さすがに熱は引きました。
おなかも大丈夫そうです。
これは、風邪にはカウントしないことにしました。
風邪をひかない記録は強引に続きます。


<これからお出かけになる方へ>

体調を整えて出かけましょう。
滞在中に変調をきたしては、泣くに泣けません。
でも時差ぼけのひどい人は、身体をいじめてから出発すると、
最終日にたくさん寝られて、その後すぐに復帰できるかもしれません。
ただし、マラリアにはご注意を。


おまけ

今回の旅行は、『兄弟会』という名目のはずでした。
ところが、父が出発前に作成した、
おじ、おばたちに宛てての、旅行案内のタイトルは、
いつのまにか『喜寿記念旅行』となっていました。
自分が2月で77歳になったからです。

普通の、おめでとうはしましたが、特別には何もしませんでした。
誰も、特別のおめでとうをしてくれなかったので、
自分で無理やりこじつけたようです。

ところで、母は、父より1歳下。来年、喜寿。
おじは、母より1歳下。さ来年、喜寿。
さて、どうなるのでしょうか?
喜寿記念旅行は、自分のときだけなのでしょうか?

もうひとつおまけ

先日旅行の写真ができました。
みんなの分を焼き増しするのに、人間せんせいがお使いに出されました。
それぞれが写っている写真は、それぞれの枚数、
これは、わかります。

でも、なぜか、父が一人で映っているのも、
全員分焼き増しするようになっています。
めでたい『喜寿』だからでしょうか?
少なくとも、姉は舅のブロマイドなど欲しくないだろうと、
人間せんせいの独断で、1枚分減らしてしまいました。

自分の父親ながら、このおっさんは、
何を考えているのかわかりかねます。

2002.03.03